猫のベッドで昼寝して

猫のベッドで昼寝して

翻訳の傍ら脚本を書いてます。日常の書き溜め。

"字幕翻訳家"になる道のり小話

数週間ほど前に、翻訳学校時代の友人達と青山一丁目でご飯に行って来た。

仕事の大小はあれど、卒業後も皆さん活躍しているようで「本当、儲からないね笑」と愚痴りながらも色々情報交換をした。 

 

私が通っていた翻訳学校では、最初基礎コースで【映画字幕・吹き替え・ドキュメンタリー】の翻訳業務の一通りを学ぶ。

その後、自分がやりたい分野orもしくは従事したい先生を決め、研修科のようなクラスを受講する。

私はもともと映画字幕がやりたかったので、第一線で活躍中の先生のクラスを取った。そして数カ月受講したのち、先生による審査(?)のようなものを経てゼミクラスに上がる。

 

ゼミに上がると、私のように勉強中の人間から、仕事を始めているビギナーの方&プロだけど再び先生に学びたい!という方まで幅広く在籍していて、レベルが一気に上がる。

ちなみにゼミ生になると、先生経由で定期的にお仕事がもらえるようになっており(※先生によるかもしれない)不定期に「〇〇の字幕翻訳、相場〇〇、納期〇〇、受けれる方いますか?」とメールが飛んでくる。

基本早い者勝ちで、納期スケジュール、専門分野で折り合えば返信して、仕事を受けれるようになっている。

ただ医療分野、宗教、ITなどドキュメンタリー系のものが多く、正直私は多くは受けれなかった。

あと当時は広告会社で正規で働いており、日中に私用メールを常に確認することが出来ず、やりたい仕事があっても、出遅れて他の人に仕事がいくこともしばしば…。

あとは素人に卸してくれる仕事なので、納期がかなり短いものが多く「仕事が無ければ受けれそうだけど、これは3日徹夜しないと無理!」みたいな状況で、副業でやるにはキツイ状況だった。

 

私の周りの生徒さんは、派遣社員で時間に余裕がある方、子供さんが中学生くらいで旦那様の扶養に入りながら~という主婦さんが比較的多く、そういう方のほうがどんどん仕事を受けて、キャリアアップされていたような印象がある。

 

そんなこんなで、先生経由のお仕事をいくつか受けているうちに、そのうちの一つの翻訳会社さんから直接お仕事依頼が来るようになって、少しずつ仕事がもらえるように。そして今に至り……。

正直、きちんと報酬がもらえる仕事を受けるなら、トライアルが一番。

ただそのトライアルを受けるには「実務経験〇年以上」という規定があるものが大半で、その「実務経験」を得るために、素人OKの仕事を受けているような感じだった。

 

翻訳業界の現状として、仕事は大量にあるものの、「映画・ドラマ」に携われる人というのはごく少数な印象で。

さらに映画・ドラマだと「吹き替え」は需要があっても、「字幕」となると、大体発注するプロの方が決まっている。なのでやはりトライアルを受けていくしかない。

 

「映画に携われれば何でもいい」という私みたいな人間は、ドキュメンタリー翻訳ばかりしているうちに、何かつまんない!という気持ちが強くなってしまい。苦笑

そんなこと言ってられないのだけど。

 

それでも、映画館に行って、痺れるような字幕に出会ったりすると、やっぱり字幕っていいなあ…と思ったりする。JOKERとかは凄く良かったなあ。アンゼ先生。

 

翻訳メンバーご飯会で話題に上がったのは、『TENET』に出てくる「The Protagonist」という主人公を指す言葉が、物語の中盤までは「名もなき男」と訳され、ラストで主人公が自身の使命を知った後のシーンでは「主人公」と訳されていて、「最高かよう~!」と大いに盛り上がり酒が進んだ。笑

 

こういうのって、字幕に関心が無い人はスルーするのかもしれないが、私達はこういう瞬間に出会えると身体がぞくぞく~っとなり、幸せな気持ちになる。

私以外の皆さんは、真面目に翻訳と向き合っていて偉いなあと思った。

私は気持ちがシナリオに持ってかれ過ぎてて、ちょっといかんな~。もう少し頭をマルチに使えるようになりたい。そんな事を思ったのでした。

 

それでは今日はここら辺で!

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